監修:高橋悟 東京大学付属病院泌尿器外科助教授
取材・文:祢津加奈子 医療ジャーナリスト
(2004年06月号)
東京大学付属病院
泌尿器外科助教授の高橋悟さん
前立腺がんは、50歳以上の中高年に多いがんで、
今日本でも増加の一途をたどっています。
アメリカに比べるとまだ日本の患者数は8分の1程度ですが、
増加率は全がんのトップ。
2015年には人口10万人につき20人以上が罹患すると予想されています。
その背景には、高脂肪食など食生活を中心とした生活の欧米化、急激な人口の高齢化、
加えてPSA(前立腺特異抗原)という精度の高い腫瘍マーカーが
普及して検査が容易になったことがあげられます。
また、最近著名人が前立腺がんの治療を受けたことなどが報道され、
これも受診者の増加に拍車をかけているとみられています。
しかし、前立腺がんはがんの中でもタチがよい部類に入ります。
このがんでは、そのことを考慮したうえで、慎重に治療法を選択する必要があります。
ゆっくり増殖するがん
東京大学医学部泌尿器外科助教授の高橋悟さんによると「特殊なタイプ*(低分化型)をのぞくと、前立腺がんの増殖スピードはかなりゆっくりしている」といいます。
!doctype>